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2026.09.14 コラム

「年のせい」だと、諦めていませんか──筋肉という、見えない臓器

健康診断の紙を見ながら、「まあ、年だからね」とつぶやいたことはありませんか。私にもあります。血糖の値が少し上がった。前より疲れが抜けない。物覚えが悪くなった気がする。どれも年齢という一言で片づけてしまえる変化です。

ところが最近読んだ本に、その「片づけ方」を正面から揺さぶられました。『筋肉が全て』(原題 Forever Strong)——アメリカの医師、ガブリエル・ライオンさんが書いた、全米でベストセラーになった一冊です。今日はこの本が投げかけている問いを、ジムを運営している側の人間として、ご紹介させてください。

筋肉は、動かすための「部品」ではなかった

この本がまず言うのは、筋肉の見方を変えよう、ということです。

私たちは筋肉を、体を動かすための部品だと思っています。腕を曲げる、階段を上る、荷物を持つ。そのための道具である、と。ところが同書は、筋肉を「体のなかでいちばん大きな臓器」として扱います。心臓や肝臓と同じように、働いて、物質を出し、全身に影響を与えている器官だという捉え方です。

実際、筋肉が収縮するときにマイオカインと呼ばれる物質が分泌されることは、研究でも報告されています。血液に乗って全身に届き、代謝や免疫、脳の働きにも関わる——そう報告されている物質です。この話は以前別の記事で詳しく書きましたので、ここでは深追いしません。

ただ、ひとつだけ申し上げたいことがあります。この臓器は、体の外からは見えません。肝臓の数値のように健康診断の紙に並ぶわけでもない。だから私たちは、この臓器が静かに小さくなっていくことに、なかなか気づけないのです。

血糖の、いちばん大きな「受け皿」

同書のなかで、私がいちばん考えさせられたのがここでした。

食事でとった糖は、血液に入ったあと、どこかに収まらなければなりません。その最大の受け皿が、筋肉だというのです。体のなかでいちばん量のある組織なのだから、いちばん大きな置き場所である——言われてみれば、当たり前の話です。

では、その受け皿が小さくなっていったら、どうなるでしょうか。

行き場を失った糖を収めるために、体はより多くのインスリンを必要とするようになる。それがインスリン抵抗性と呼ばれる状態で、ここから、別々の病気だと思われてきたさまざまな不調が一本の線でつながっていく——というのが同書の主張です。

この因果関係をどこまで強く言えるかは、専門家のあいだでも議論のあるところでしょう。ですから私も、本書がそう説いている、という形でご紹介するにとどめます。それでも、受け皿の話は頭に残りました。私たちは「食べすぎ」の側ばかり見てきたけれど、受け皿の側が小さくなっていたのかもしれない、と。

そして、減少は30代から始まっている

もうひとつ、同書がはっきり言っているのは、筋肉の減少は高齢になってから始まるのではないということです。

日本人4,003人を対象にした調査でも、下肢の筋肉量は20歳代から減り始め、80歳の時点で男性は約31%、女性は約28%少なくなっていたと報告されています。一方で体幹部は中年期まで緩やかに増えるため、全身の合計ではほとんど変わりません。合計の数字が横ばいのまま、太ももだけが静かに減っていくのです。

40代、50代で「なんだか変わった」と感じるのは、そのときに何かが起きたからではなく、20年かけて進んだ変化が、ようやく自覚できる大きさになったということなのだと思います。

気の滅入る話が続いて申し訳ありません。ここからが、この本のいちばんいいところです。

筋肉は、自分の意思で大きさを変えられる、数少ない臓器でもある。

肝臓を「よし、鍛えよう」と思って鍛えることはできません。心臓も、腎臓もそうです。ところが筋肉だけは、こちらから働きかけることができる。実際、平均90歳の方々が8週間の筋力トレーニングで筋力を大きく伸ばしたという研究もあります(この話は以前の記事で)。厚生労働省のガイドにも「筋肉は年齢に関係なく鍛えることができ」と書かれています。

私たちが「年のせい」だと諦めてきたものの一部は、手を打てる場所にあった。この本を読んで、私はそう受け取りました。

この本が、最初に鍛えろと言うもの

さて、こういう本ですから、さぞ厳しい食事法や訓練法が最初に出てくるのだろうと思って読み始めました。ところが違いました。

同書が最初に説くのは、食事でもトレーニングでもなく、「心」です。体を動かさないまま健康でいられる道はない——著者は繰り返しそう述べます。そのうえで、ラクなほうではなく、少しだけしんどいほうを選ぶ心をまず育てなさい、と書く。そして、それを選び続けていると、人生のほうがだんだん楽になっていく、と。

これを読んで、お店でお会いする方々の顔が浮かびました。ご家族のために、仕事のために、誰かのために、しんどいほうを選び続けてきた方ばかりです。その心は、とっくにお持ちなのだと思います。ただ、その向き先にご自分の体だけが入っていなかった——それだけのことではないでしょうか。

だから、90秒にしました

とはいえ、「心を鍛えましょう」で終わっては、何も変わりません。続けられる形にしなければ意味がない、というのが私たちの考えです。QuickPlusGymの設計は、こうなっています。

  • 強度は、AIが決めます──AIマシン「Extrec(エクストレック)」が、あなたがいま出している力を0.1秒単位で感知し、「限界の少し先」の負荷をリアルタイムに与え続けます。重さを選ぶ必要も、回数を数える必要もありません。
  • 時間は、短く固定します──1種目90秒。3種目やっても運動している時間は約5分来店から終了まで約10分です。
  • また来やすくします──手ぶらでOK、着替え不要。イトーヨーカドー大森店でのお買い物のついでに立ち寄れます。しつこい勧誘もありません。

90秒のあいだ、少しきついと感じる瞬間は必ずあります。そこだけは、機械にも肩代わりできません。けれど、しんどいほうを選ぶのが90秒で済むのなら、選べる気がしませんか。

AIやロボットがどれほど進化しても、あなたの筋肉だけは、誰にも・何にも代わりに増やしてもらえません。だからこそ私たちは、AIの力を「筋肉を増やすお手伝い」に使うことにしました。AI時代の筋肉は、AIに増やしてもらう。

見えない臓器のことを、たまには気にかけてやってください。イトーヨーカドー大森店3階のQuickPlusGymで、無料体験を受け付けています。手ぶらでOK、しつこい勧誘もありません。お電話(03-6410-8919)または予約フォームから、お気軽にどうぞ。

あわせて読みたい

※本記事は、ガブリエル・ライオン『筋肉が全て。健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』(原題 Forever Strong/御立英史 訳)の内容を、当店の理解にもとづいて要約・紹介したものです。同書の本文をそのまま引用したものではありません。
※参考:谷本芳美ほか. 日本老年医学会雑誌. 2010;47(1):52-57./Fiatarone MA et al. JAMA. 1990;263(22):3029-34./Pedersen BK & Febbraio MA. Nat Rev Endocrinol. 2012;8(8):457-65./厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
※本記事は一般的な科学的知見および書籍の内容を紹介するものであり、特定の疾病の予防・診断・治療を目的とするものではありません。効果には個人差があります。既往症のある方、通院中の方は事前に医師にご相談ください。

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